そのまま吸収されるわけではない
コラーゲンは、人間のタンパク質の30%を占めていて、肌や軟骨などの弾力性にも役立っています。
体内のコラーゲン量が増えれば、当然皮膚のハリや、関節の痛みの軽減などの効果が考えられます。
今回問題なのは、口から摂取したものは、体内の成分量と関連があるのかということです。
まず、私たちが勘違いしがちなのは、食べたり飲んだりしたコラーゲンがそのまま皮膚や関節で使われると思ってしまうこと。
これは間違いです。
私たちの胃腸は、摂取したタンパク質は分解されます。コラーゲンも例外ではありません。
福岡伸一先生の話
2008年の日刊ゲンダイに『「コラーゲン鍋肌にいい」は真っ赤なウソ!』という記事が出たとき、かなり話題になりました。
青山学院大学教授である分子生物学者の福岡伸一先生が取材に答えたものです。内容としては、アミノ酸に分解されるので美肌などの効果は無い、心理的な効果(プラシーボ効果)くらいはあるでしょうけど。というものでした。
アミノ酸に分解されるのは常識でした。
(でもよく考えると、体内での生成や美肌に影響があるのかという問題を、アミノ酸に分解されるから効果無しと断言したのは間違いだというのが分かります。一度アミノ酸に分解されたとしても、効果がある可能性をまったく考えていないからです。)
京都府立大などのグループの研究
ところが、2009年に京都府立大などのグループの研究でこれまでの常識を覆す面白いことがわかったのです。
ブタや魚のコラーゲンを食べると、ペプチドと呼ばれるアミノ酸化合物が長時間にわたり、血中に増えることを突き止めたのです。
マウスの皮膚細胞でこのペプチドの機能を調べたら、傷の修復のためにコラーゲンを作る皮膚の繊維芽細胞を、傷の部分に呼び寄せるのを助けることが分かったのです。
ペプチドが再びコラーゲンに戻るわけではありませんが、間接的に役に立っているというわけですね。
まだまだこれから進む研究
コラーゲン研究は、各社メーカーや大学の研究者などがこれからも取り組んでいくでしょう。明確な事実がはっきりと分かるのはまだこれからかもしれません。
でも、美容ドリンクなどの効果を実感している人たちは大勢います。
肌のハリを保つには、コラーゲンだけでなく様々な栄養素が必要です。美容ドリンクにはコラーゲン意外にも各社が研究して様々な栄養成分を配合しています。そのため、飲む人に合う合わないなどの個人差も出ているんですね。
飛行機はどうして飛ぶのか解っていない
実は、飛行機がなぜ飛ぶのか、正確なことはまだ解っていないという話があります。
ベルヌーイの定理などが説明に用いられますが、その定理の前提がよくわかっていないんです。
よく分からない部分があっても、飛行機は毎日私たちを乗せて大空を飛び回っています。
飛行機に乗れれば、理論なんて旅行者にとってはどうでもいいのかもしれません。
コラーゲンを摂取することで効果を感じられれば、理論的なことは問題ではないんです。
それより、私たちに問題なのは効果を実感できるかどうかです。