女性ホルモンへの期待

 女らしさの元とも言えるのが女性ホルモン。たとえ男性でも男性ホルモンを減らして、女性ホルモンを注射などで投与すれば、見た目はとても女性らしくなっていきます。
 副作用が多くリスクが高いので、投与してくれる病院は少ないですし、変わった体つきは元には戻りません。
 女性が年齢とともにたくましくなってゆくのも、更年期障害なども、卵巣機能の低下などによってホルモン量が減少するのが原因です。
 最近では、大豆イソフラボンやプラエリアなど、ホルモンの働きで美しさや美肌を取り戻すためのサプリメントも人気です。
 男性の方が髪が薄い人が多いことから、頭髪の増毛にもいいと考えられていますよね。髭を薄くするためにサプリを飲んでいる男性も多いです。

実は食事やサプリで摂取することはできません!

女性ホルモンのサプリメントと言えば、思いつくのは「プラセンタ」や「プエラリア」ですよね。
実は、これらにホルモンは含まれていません。

プラセンタというのは、胎盤のこと。サプリに含まれているのは豚や馬の胎盤です。胎盤からエキスを抽出して、健康食品や化粧品などに使っているんですね。
実は、この胎盤にはエストロゲンなどの女性ホルモンは含まれていません。成長因子が含まれ、エストロゲン分泌調整機能があると考えられています。
動物性のプラセンタに嫌悪感を持ってしまう人向けに、海洋性や植物性のプラセンタもありますが、これらは厳密には「胎盤」ではありません。そのため、「成長因子」も含まれていません。

プエラリアとは、タイの山岳地帯に自生するマメ科の稀少な植物です。大豆の40倍のイソフラボンや、より強力なミロエステロールが含まれています。これはプエラリアでしか見つかっていないので、バストアップを期待してサプリを飲む人が多いです。高い効果が期待されているため、副作用にも注意が必要です。ただ、豊胸効果を認める科学的な根拠はありません。

いずれも、エストロゲンのバランスを整えたり、分泌を促進したりするのを期待しているわけですね。

エストロゲンを増やす食べ物は?

 口からエストロゲンを補給するのは無理でも、分泌を促す成分や、似た働きを持つ成分を含む食べ物を摂取することで、同様の効果が期待できます。
ということで、お父さんもお母さんも、若い女性も注目の食べ物を調べてみました。

豆腐や豆乳、納豆などの大豆製品
これらは、ポリフェノールのひとつの大豆イソフラボンを多く含みます。
エストロゲン(女性ホルモン)と似た働きを持っています。
ただ、内閣府食品安全委員会は、「特定保健用食品として大豆イソフラボンを日常的な食生活に上乗せして摂取することは、推奨できない」としているのでほどほどに。 豆乳を飲むのが一番手軽に摂取する方法でしょう。

とろろ昆布・キャベツ・りんご・ぶどう・ピーナッツなど
ボロン(ホウ素)という成分が、エストロゲンの分泌を高める効果があるので、バストアップサプリメントなどに含まれます。ボロンは熱に弱いので、加熱しないで食べましょう。
キャベツに多く含まれるのは有名ですが、多くのフルーツにも含まれています。ナッツ類や海藻類にも。 カルシウムの吸収を助ける働きもあるので、骨粗しょう症の予防にも効果的です。
ザクロ
2000年ごろ、果汁にエストロゲンが含まれるとしてブームになりましたが、国民生活センターの分析では検出されていません。
果肉部分ではなく、エストロゲン活性のあるエストロンという成分が、種子にのみ含まれていますが、微量で効果は不明です。
とはいえ、ビタミンなどは豊富なので、美容に良いのは間違いないでしょう。
オリーブオイルやナッツ類、カボチャなど
ホルモン分泌のバランスを整えるビタミンEが豊富です。
ビタミンEの過剰摂取は、骨粗しょう症の原因になるという慶應義塾大学医学部の研究結果もあるので、サプリメントなどで大量に摂取するのは控えた方がいいかもしれません。
マグロの赤身やバナナ、にんにく
エストロゲンの代謝に必要なビタミンB6を豊富に含んでいます。
マグロの他にも魚には多く含まれます。水溶性なので煮た場合は汁も飲みましょう。魚が苦手な人はバナナで。
にんにくにも豊富で、多くの健康食品がありますね。
よくある間違いが、野菜ばかり食べて肉や魚を控えること。ダイエットのためとカロリーを抑えるために、肉を食べないのは実は間違い。タンパク質は女性ホルモンの大切な材料です。タンパク質が不足し過ぎると、生理が止まってしまうこともあるんです。
何よりも、基本的には好き嫌いせずに何でもバランス良く食べるのが大切ですね。

手軽に飲めるドリンクで摂取するのもいいかもしれません。
それぞれ特徴があるので、ちょっと比べてみてください。
  おすすめプラセンタドリンクを比較してみた。

若々しい肌に戻りたい方は、ホルモンバランスを整える化粧品もあります。
バラの香りに効果があることが分っています。最高級のダマスクローズエキスを配合。
  女性ホルモンに着目した洗顔料・化粧水・美容液。

一般に広く知られているエストロゲンだけでなく、プロゲステロンというものもあります。エストロゲンが美肌ホルモンと呼ばれ、プロゲステロンはブスホルモンなどと呼ばれています。でも、エストロゲンだけを増やしてもダメなんです。大切なのは両者のバランス。
カネボウ化粧品と奈良教育大学との研究で、ローズやムスクなどの香りにホルモンバランスを整える効果があることがわかっています。食べるものと合わせて、部屋の香りに気を付けてみてもいいかもしれません。